いくらやたらこ、数の子など、海に囲まれたお魚大国の日本は、魚卵とも深い関わりを持つ国です。ところで皆さんは、魚卵の呼び方をいくつ知っていますか?成長するにつれて名前が変わるなど、魚の名前はなかなか難しいもの。そうだったんだ!と思える魚卵の呼び方をご紹介します。
1.魚卵とは
魚卵とは、読んで字のごとく魚の卵を指しています。魚卵には沈性卵と浮性卵の大きく分けて2種類あり、ほとんどの魚は浮性卵を産卵するのが特徴。浮性卵は親に産卵された後、海中をプカプカと旅しながら大きくなっていきます。また、沈性卵のなかには粘着力があり、海藻やサンゴに付着して育ちます。個体差はありますが、食物連鎖の渦中にいる魚は、1回の産卵に対して万単位の数の魚卵を産卵します。例えばブリは約150万個、マンボウは驚くことに約2億8,000個の卵を産むと言われているのです。魚卵は卵として命を受けたその日から、常に捕食者からの攻撃に耐え忍ばなくてはなりません。フグなど毒を持つ魚もいますが、多くの魚は身を守る方法がありません。例えばカタクチイワシは、卵から成魚になれるのはたったの0.1%と言われています。その数字を見ると、いかに魚卵の1粒1粒に、未来の個体保存の可能性を託されているのかがわかりますね。
2.魚卵の呼ばれ方
■キャビア
皆さんはキャビアと言われて、キャビアがどの種の魚の卵か想像ができますか?キャビアとは、古代魚に属するチョウザメの卵です。寿命は長く、長いものだと150年も生きるものも。キャビアとして知られていますが、昔からヨーロッパや中国で身も食されてきました。
■たらこ
スーパーにもコンビニにも、1年中みかけるたらこは、日本人の食卓に欠かせない魚卵のひとつ。たらこは体長60cmになるスケトウダラから取り出されます。スケトウダラの名前の由来は、漁をするのに「助っ人」がいるからという話から来ているのだそうです。
■数の子
お正月に欠かせない数の子は、ニシンの魚卵。江戸時代には、米の代わりにニシンを年貢として納めていた地域もあります。また、ニシンが魚卵を付けた昆布のことは子持ち昆布と呼ばれています。
■からすみ
出典:http://inoueisamu-syouten.com
昔から高級珍味として親しまれてきたからすみは、日本の三大珍味にも数えられています。からすみはボラの魚卵で、塩漬けにした後天日干しをして製造します。ボラは成長魚で、その大きさで呼び名がハク、スバシリ、オボコ、イナ、ボラ、トドと変えていくのが特徴です。
3.意外と知られていないいくらと筋子の違い
出典:http://www.hokkaido-kaisan.com
皆さんは、いくらと筋子の違いをご存知でしょうか。元を辿れば、いくらも筋子もサケの魚卵。その違いは製造方法です。筋子は卵巣膜に包んだまま加工したもので、いくらは卵巣膜をばらばらにしてから加工したものを指しています。筋子の「筋」という名前から、その状態を想像することができますね。ちなみに、いくらはロシア語でキャビアを指す「ikura」が由来。日露戦争の際にロシア人が持ち込んだ言葉が発端と考えられています。肌色が違っても同じ言葉を持っているのは、歴史の面白さですね。
4.まとめ
私たちの食卓に親しみのある魚卵の呼び方について、いろいろな種類をご紹介しましたがいかがでしたか?お魚大国に生まれたからには、雑学としてぜひ魚のことを知っておきたいものですね。
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