中国では「エンペラーフィッシュ」と呼ばれた白く輝く美しいチョウザメ。魚卵はキャビアとしても有名ですよね。そんなチョウザメを観賞用に飼いたい!という方へ注意点をご紹介します。
1.チョウザメを飼うのは手間がかかる
ヨーロッパではロイヤルフィッシュ、中国ではエンペラーフィッシュと呼ばれ、古くからその美しさを賞賛されてきた古代魚の仲間チョウザメ。飼育するとよく懐くため、可愛いと観賞用にも人気です。
しかし、安易にチョウザメの飼育を始めるのはおすすめできません。チョウザメなかでも最も小さなコチョウザメという種類でも、観賞用に飼育すると体長最大50cmに。自然界では1mに達すると言われています。そのため、大型水槽や、鯉を育てる池などの大規模な環境が必要。また、チョウザメは綺麗な水が必須なので、餌の魚を食べこぼした後や、毎日大量に出される排泄物の処理をこまめに行うことが求められます。さらに、水温が25℃以上を数日以上超えると命の危険にさらされてしまうため、水温冷却器の取り付けが必須。チョウザメを飼育する人の多くは、夏を越せずに1年以内に死亡させてしまうケースが多いそうです。
チョウザメの稚魚を販売している店舗では、大きくなったチョウザメを引き取ってくれる場所も。しかし、チョウザメを飼うと決めたら、かなりのコストと手間がかかることを覚えておきましょう。
2.チョウザメを飼う際の注意点
出典:http://www.novinite.com/articles/170305/WWF+Bulgaria+Implements+Danube+Sturgeon+Boosting+Project
◇水質環境を清潔に保つ
チョウザメは目が悪いため、餌は底に沈むタイプを選びます。また、口の大きさに比較すると喉が小さいため、大きな餌を飲み込むと食べきれずに吐き出してしまう場合も。匂いで餌を探すので、時間がたった餌には反応せず残ってしまいます。さらに、体が大きくなると大量の排泄物が出るため、水質は悪化しやすいのが特徴。ただし、チョウザメは綺麗な水質を好むため、こまめに清掃してやることが求められます。
◇水温は15℃~25℃
チョウザメは冷水魚で、最適な水温は15℃~25℃。10℃を下回ると動きが鈍くなりますが、死ぬことはありません。水面に氷が張るような冷たさでもOK。しかし、暑さには大変弱く、25℃を超える日が続くと死亡率が格段に上がります。冷却装置を必ず導入する必要があります。
◇岩や流木は入れない
水底の餌を探して食べる習性があるので、岩や流木を入れると引っかかってケガをしてしまう可能性があります。チョウザメのために水槽には何も入れない方が良いでしょう。
◇混泳には注意
目が悪いチョウザメは、他の活発な魚と混泳させると、食べ負けてしまいやせ細ってしまうことがあります。また、チョウザメが大きくなって他の魚が小さい場合、チョウザメが誤って食べてしまうことも考えられます。混泳させるのは温和な魚のみ、そして魚の大きさを合わせるようにしましょう。
3.チョウザメを飼うために準備しておくべきもの
チョウザメを飼う場合に必要なものは、コストのかさむ物品が多いのが特徴です。チョウザメ飼育初心者は1年がヤマだとされますが、チョウザメが住みやすい環境を整えて飼育してあげましょう。
◇1000リットル以上の水槽
◇強力なろ過装置
◇水槽冷却装置
◇熱帯魚用や淡水魚用の底に沈むタイプの餌
4.まとめ
高級魚としても有名な、観賞用の魚としてじわじわ人気が出ているチョウザメの飼育についてご紹介しました。成長すると大型になり、野生で長生きするものは種類によって150年も生きることも。長い付き合いを見越して、きちんと世話をする準備をしてあげましょう。
Tags: キャビア